基礎化粧品を使用した肌のお手入れやマッサージなどスキンケア行為によるストレスの緩和や心地よさなどの心理的効果である「感性価値」は、抗老化成分といった「機能的価値」とあわせて重要です。
しかし、スキンケア行為による心理的効果の評価は、従来、アンケートによる主観的な方法で行われておりました。そこで、機能的近赤外分光法(FOIRE-3000 / 島津製作所製)を用い、脳血流変化を指標として、スキンケア行為による心理的効果を定量的に解析しました。
これにより、スキンケア行為や基礎化粧品の使用による心理的効果は、これまでの手法に脳血流計測をあわせて行うことで、より正確に評価できることが分かりました。また、加齢により脳血流変化の減弱と心理的効果の低下が生じることを見出しました。
【1】 フェイシァルマッサージによる酸素化ヘモグロビンの変化
マッサージクリームを使用してフェイシァルマッサージを行うと、年齢に関わらず、前頭前野における酸素化ヘモグロビンが低下した。
【2】 フェイシァルマッサージによる酸素化ヘモグロビンの変化(マッサージクリームの影響)
マッサージクリームを使用してフェイシァルマッサージを行うと、マッサージクリームを使用しない時より、前頭前野における酸素化ヘモグロビンが低下した。
【3】 ストレス課題時における酸素化ヘモグロビンの変化(基礎化粧品を用いた肌のお手入れの影響)
基礎化粧品を使用した肌のお手入れを行うと、お手入れを行わない時より、ストレス時における酸素化 ヘモグロビンの上昇が抑えられた。
【4】 フェイシァルマッサージやスキンケア行為により心理的効果を感じた人の割合(アンケート評価)
フェイシァルマッサージや基礎化粧品を使用した肌のお手入れにより、リラックスや心地よさなどの心理的効果が感じられた。
【5】 フェイシァルマッサージによる酸素化ヘモグロビンの変化
加齢によってフェイシァルマッサージによる脳血流変化が小さくなり【5】、心理的効果を感じる人の割合が低下した【6】。
【6】 心理的効果を感じた人の割合の加齢変化(アンケート評価)