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あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で輝くライフスタイルを!

植物のめぐみを取り入れたライフスタイル「BOTANICAL LIFE」を、テーマ別に週替わりでご紹介します。
植物の世界からあなたに届く「美しい贈りもの」です。

2016.11.11

Botanical Goods

Botanical Goods1
自然のぬくもりに包まれる、和紙と触れる素敵な暮らし

寒さが少しずつ深まり、自宅でゆったりと過ごす時間が増えてくるこの季節。玄関に、テーブルに、書斎に。毎日の生活で触れたり目にするものに「和紙」を取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと心がほのかに暖かくなるのを感じられるはずです。 

「植物」に関しての名著や、写真集、そしてグッズなどをご紹介するボタニカルブックス&グッズ。今回は「ボタニスト」にもご登場いただいた和紙職人、ハタノワタルさんの作る和紙製品の魅力、和紙の秘められた可能性や、暮らしの中に和紙を上手に取り入れる素敵なライフスタイルをご紹介します。 

和紙は自然からの贈りもの

歴史を遡ること6世紀ごろから始まったと言われる日本の紙漉き。山に野生する木を採ってきて原料として加工、「和紙」として新たな命を与える伝統工芸です。800年の伝統を持つ京都、黒谷の和紙も地元の山で収穫される日本古来の木、「楮」から作られています。楮は成長すると3メートルほどになるクワ科の落葉低木です。 

3年ほどで収穫し、それを蒸して皮をはぎ、表面の茶色い部分を削って「白皮」にして干します。その白皮を今度は水につけ置き、大釜で煮、皮を柔らかくして、不純物を取り除いてゆきます。この不純物を取り除く工程により、永く保存が出来る丈夫な紙が生み出されるのです。通常の洋紙が100年ほどしか持たないのに比べ、和紙の耐用年数は1000年以上とも言われています。日本の自然と人々の英知が生み出した、まさに植物からの贈りもの「和紙」。しかし、和紙職人として黒谷で生きるハタノさんの夢は、和紙を漉いて終わりではありません。「和紙というのは実は木材と同じ。木からテーブルが出来たり椅子が出来たりするように、和紙は材料。そこからどういう世界を創りだすかも、僕たち職人の使命なんです」

脇役として輝く和紙の魅力

日本ならではの伝統技術を使って作られた黒谷和紙。その丈夫さとともに、木製品、陶芸品など日本ならではの調度品との馴染み方がとても良いため、「個展や展覧会の棚に敷きたい」といった希望が多く寄せられるそうです。主役はあくまでも「作品」で、下に敷かれる和紙の役割は、器をいかに美しく魅せるかということ。目立とうとはせずとも、なくてはならない存在になる。和紙がそばにあるから、器が美しく見える。あくまで脇役に徹することで、私たちの毎日の生活の中でも、和紙の魅力はより輝くのかも知れません。 

たとえば、お客さまをむかえる玄関に飾る花瓶の下に、和紙で作られた敷板を置けばとても落ち着いた上品な空間がそこに生まれます。また、食事の時のテーブルマットに和紙を活用すれば、特別なおもてなしの思いを、お客さまに伝えることが出来ます。そして、和菓子の下に敷いて飾ったりするのもおすすめのひと工夫。和紙のシンプルで自然な模様は、和洋問わずとっておきの食器やテーブルウエアにも合わせられますし、自然から生まれた和紙の存在感や手触りは、食べものや人に優しく寄り添ってくれます。食事の時にふと触れた瞬間、きっと暖かい気持ちを感じさせてくれるでしょう。

広がる和紙の可能性

木の皮から手作業で作られる「黒谷和紙」の特徴の一つは、何と言っても“丈夫”なこと。濡れてもこすってもなかなか破れないことから、京の地でも昔から傘やちょうちんなど、毎日使用する生活必需品に用いられてきたことは良く知られています。ハタノさんは、その丈夫さ、魅力を改めて伝えるため、現在壁紙や床などに黒谷和紙を取り入れた「和紙に包まれる空間づくり」を広める活動も行っています。和紙の良さは毎日触れて使って初めてわかるもの。作る側も「和紙を使う」という生活を大事にしなければと思い、自宅の床を黒谷和紙張りにして、和紙に包まれた生活を自ら実践しています。毎日踏みしめられた和紙の床は、時が経つ程に原料の楮の木の繊維組織が締まって結合が強くなり、より丈夫さが増していくのだといいます。そして、日々見落としがちでも、ふとしたときに気づく木から生まれたことを思いださせてくれる素材感、ぬくもり、心地よさ。使い続けて初めてわかる、その経年変化の美しさこそ手漉きの和紙ならではの魅力なのです。

 「日本人はもっと和紙に自信を持って欲しい。木から紙を生み出す手漉きの作業も和紙を特別なものにしていますが、これからは、出来たものがどう生活の中で使われてどう変化しているか、どう喜ばれているか、そういったところをもっともっと伝えて見て感じてもらいたい」ハタノさんはそう語り、和紙の魅力を様々な「形」にして世界に発信しています。和紙の楽しみ方や和紙と暮らす喜び。たくさんの人が知ることで、和紙の可能性はもっともっと広がるのではないでしょうか。 

ハタノワタル作 黒谷和紙の名刺箱

 
 
ハタノワタル

1971年、淡路島生まれ。多摩美術大学絵画科油画専攻卒。97年、黒谷和紙研修生となり、2000年、黒谷紙漉き師として独立。伝統ある和紙の里で紙を漉き、その黒谷和紙の可能性を広げる活動を行う。 04年、綾部ファインアートグラデーション(AFaG)立ち上げ。07年、京もの認定工芸師として認定される。様々なショップでのプロダクト販売のほか、個展、展覧会等を通して、黒谷和紙の魅力を世界に発信している。