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あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で輝くライフスタイルを!

植物のめぐみを取り入れたライフスタイル「BOTANICAL LIFE」を、テーマ別に週替わりでご紹介します。
植物の世界からあなたに届く「美しい贈りもの」です。

2016.11.25

Botanist

Botanist8
日本古来の藍の色「ジャパンブルー」に込められたこだわりとは?

植物と素敵に関わる人を紹介する「ボタニスト」。今月は日本古来の藍染めをTシャツやセーター、バッグなど、現代のライフスタイルに生かす藍染め集団、リトマスをご紹介します。「日本の青」に込めた、そのこだわりと思いに迫ります。

「藍の葉」が生み出す「日本の青」

緑の藍の葉から生み出される藍染めの「青」の色。この青は「ジャパンブルー」とも呼ばれ、日本の原風景として私たちの記憶に刻まれてきました。古代エジプトにも遡ることができるほど、私たち人類の歴史や文化と長く深い関わりを持ってきた藍染め。日本に伝えられたのは6世紀前後。今も残る当時の宝物のなかにも藍染めの品が数多く残されています。かつて、青は藍でしか生み出すことが出来ず、たいへん貴重であったことから高貴なものにしか許されなかった色。それが庶民に普及したのは江戸時代。「布を藍で染めたものは丈夫になる」と手ぬぐい、野良着、肌着、暖簾などに使用され、日本の生活の中に藍の生み出す「青色の風景」が広がってゆきました。
 

日本では藍染めの原料に、昔から「タデアイ」の葉が使われてきました。3月春先に種を撒き、苗を育て、夏に一番刈りを行い、収穫は9月頃まで。咲いた花からは翌年に蒔くための種が採取され、大切に保管されていました。実はこのタデアイの葉自体、薬草として消炎、解熱などにも重宝され、また、食事の薬味などにも使われるほど、人々の日々の生活に溶け込んでいたものだったのです。

ジャパンブルーを生み出す特別な時間と技巧


湘南、鵠沼に工房を構える、藍染め集団「リトマス」は、このジャパンブルーにこだわり、原料づくりから染めまで、すべて手作業で行い、自然の発酵だけで藍染めを行なっています。リトマスの手がける藍染めは「灰汁発酵建て」と言われ、日本に古くから伝わる伝統技巧。タデアイの葉からつくられた原料を溶かした液に、日本酒など天然の特別な素材を混ぜ、藍釜で発酵させてゆきます。やがて液の表面に「藍の花」と呼ばれる泡が生まれ、発酵の目安となります。発酵した藍の染液は実は茶褐色。その液を十分に吸った素材を空気を入れながら広げ、水につけることでついには藍の青色が鮮やかに浮かび上がってくるのです。 液はまさに生きもの、染めながら常に状態に気を使い、使わない日もかき回し空気を入れ、大切に手間をかけて液を育ててゆくことで、藍の鮮やかな色が生まれてくるのです。

リトマスがこだわる青は安心の色

自然から生み出されたものを自然の力で発酵させ、その自然の作用にゆだねて、青を生み出す。そんなリトマスがもう一つこだわるのは、すべて素手の作業で染め物を行うこと。手袋をせず素手で染液に素材を入れ、素手でかき回して作業するため常に手も藍に染まりますが、その作業にこそ大きな意味があると考えています。それは、自らの手を藍に染めることで、染液を自分の肌で直接感じることが出来ること、そしてもう一つは、使う人への安心感を伝えるということ。うわべだけのオーガニックではなく、すべての工程を手作業で行い、自然の発酵だけで染め上げていることで、安心して着て欲しい、使って欲しい、そんな強い思いが彼らのもの作りの背景にあるのです。 

「リトマスは染め師は3人ですが、タデアイ作りからたくさんの人に関わっていただいています。そして染めた後もデザインや製品作りで支えてくれる人がいる。その絆になっているのが藍の色。きっとこれが自然の色であるということと、僕たちの原体験の色ということで人が集まって来て、支えてくれているんだと思う。自然や植物の力がみんなの心を一つにしてくれている。だから人と自然に後ろめたい気持ちでは仕事をしない、そんな思いをいつも大切にしています。それがリトマスらしさだと思う」
(リトマス 吉川和夫さん)
 
リトマスがこだわる「ジャパンブルー」は、私たちの懐かしい記憶に刻まれている色であると同時に、自然を敬う心を持ち、自然にこだわり作られる「安心」の色と言えるのかも知れません。
 

藍染め集団 LITMUS

LITMUS (リトマス)という名前は、彼らが大好きだったサーフィン映画のタイトルと、自分たちの発信する色に「反応」して欲しい、そんな思いを合わせて付けられた。2000年にスタート。現在は湘南、鵠沼でタデアイ作りも手がけ、日本に古くから伝わる天然の素材のみを使用した染色技法「灰汁発酵建て」を行う。そのこだわった技法を自らのフィルターを通し、素材や概念にとらわれない作品づくりで「日本の藍色」を表現している。その作品は手ぬぐい、帽子、Tシャツから暖簾、スニーカー、椅子にまで及ぶ。


2016.11.18

Botanical Recipe

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「花のパワーで美しく」〜花茶と花酒の魅力とレシピ

「野菜」や「ハーブ」を使ったメニューや料理のコツを、人気シェフや料理家といった“食のプロ”に教えていただく「ボタニカル・レシピ」。
 
今回は“花を飲み物として楽しむ”花茶や花酒をご紹介します。この花薬膳とっておきのレシピを、国際中医師・国際中医薬膳師の大田ゆう子先生に教えていただきます。 

花薬膳の力で美しく生きた宮廷貴婦人たち

中国において花は“愛でる”だけでなく、薬膳の大切な素材として日々の健康作りに用いられてきました。そんな花薬膳を最も積極的に取り入れたのが、かの西太后です。感情の乱れやほてりをおさえる「菊花」を常に手元に置き、菊鍋や菊茶を生活に取り入れていたそうです。また、楊貴妃も「金木犀」のお酒を愛飲していたというエピソードがあるように、宮廷貴婦人たちにとって花薬膳は、毎日の生活に欠かせないものでした。

花薬膳に欠かせない紅花とジャスミンとバラ

昔から女性の美と健康をサポートしてきた花薬膳。食材となる花々は限られていて、菊花や金木犀を含めて基本は10種類ほど。すべて飲食用に乾燥加工させた状態のものを使いますが、花の季節感を楽しむこともできますし、四季を通して自分の体調に合わせて取り入れることも可能です。
 
そして、これら薬膳に使われる花々のなかでも、特に女性の悩みに幅広く効果があり、便利なのが紅花、ジャスミン、バラの3つです。 

(左: 紅花/中央: ジャスミン/右: バラ)

紅花は、女性の大敵“冷え”を追い出し、温める効果に優れているとされています。また、ジャスミンはその独特な香りにリラックス効果があり、バラはその香りにイライラを解消したり、落ち込んだ気分を遠ざけたりするパワーがあるそうです。

花を飲んで楽しむ! 自然の恵みいっぱいの花茶レシピ

この紅花とジャスミンに加えて、女性の魅力を引き出す自然の恵みをたっぷりと詰め込んだのが“食べる花茶”と言われる、大田ゆう子先生オリジナルの「八宝茶」です。材料は、バラ(マイカイカ)、ジャスミン、ナツメ、クコ、白キクラゲ、ジャスミン茶、リュウガン、氷砂糖。これらをすべて器に入れてお湯を注げば完成です。2〜3分置いてからスプーンで混ぜて飲み、残ったナツメ、クコ、白キクラゲを最後に食べましょう。 

材料が多くて一見ハードルが高く見えますが、その中身は“究極”の女子のための飲みもの。リュウガンやナツメは血を補い、ジャスミンは胃腸の調子を整えます。白キクラゲやバラ(マイマイカ)は肌へ潤いをもたらし、クコにはアンチエイジング効果があるとされています。ほんのりとした甘さでデザート代わりにもなりますね。材料を揃えてしまえば、作り方は簡単なので、試してみてはいかがでしょう。

お酒で楽しむ花薬膳!美しい色の花酒レシピ

身体を温めて、血液のめぐりを良くするお酒。それと花を合わせた「花酒」は、花の力を身体全体に届きやすくすることができます。ジンやウォッカなど、お酒の風味と花の香り、そして美しい花の色を楽しめるのでパーティなど華やかな場面にも活躍してくれます。


白ワインにジャスミンとバラ(マイマイカ)を20分ほど漬けたのが「白ピンクのお酒」。ワインにうつったジャスミンとバラの香りを楽しむことができ、リラックス効果もあるとされています。


 


紅花とシナモンスティックと白ラムをミニデキャンタで合わせて1時間ほど漬けた「オレンジ色のお酒」は甘みのあるラムとシナモンのスパイシーさが絶妙。温める効果が絶大なので、気温が下がる季節に頼りになる1杯になりそうです。少量のお酒は食欲を促す効果もあるので、食前酒にもぴったりです。


見た目も華やかで、絶大な花のパワーで私たちを守ってくれる花茶。そしてそれにアルコールの楽しみも加わった花酒。 生活に溶け込みやすく、見た目の美しさを色や形で残しやすいので、花の魅力を存分に受け取ることができます。 自分好みの花薬膳を上手に取り入れて、おしゃれで健康的な毎日を送りましょう。 



大田ゆう子(おおた・ゆうこ)
国際中医師・国際中医薬膳師。自家菜園で育てた野菜を取り入れて、身体の力を高める薬膳の料理教室「洗足薬膳お料理教室」を主宰。また、薬膳の素材としての花の効能を研究し、日々の食卓に取り入れることを提案。中国料理店「聘珍楼(へいちんろう)」薬膳顧問も務めている。
 
日本に現存する最古の中国料理の名店「聘珍樓」で2010年よりスタートした「季節の薬膳セミナー」。そのセミナーをもとに、身近な薬膳レシピを提案しているのが、『聘珍樓のいちばんやさしい薬膳』(大田ゆう子さん監修 PHP研究所)。

2016.11.11

Botanical Goods

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自然のぬくもりに包まれる、和紙と触れる素敵な暮らし

寒さが少しずつ深まり、自宅でゆったりと過ごす時間が増えてくるこの季節。玄関に、テーブルに、書斎に。毎日の生活で触れたり目にするものに「和紙」を取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと心がほのかに暖かくなるのを感じられるはずです。 

「植物」に関しての名著や、写真集、そしてグッズなどをご紹介するボタニカルブックス&グッズ。今回は「ボタニスト」にもご登場いただいた和紙職人、ハタノワタルさんの作る和紙製品の魅力、和紙の秘められた可能性や、暮らしの中に和紙を上手に取り入れる素敵なライフスタイルをご紹介します。 

和紙は自然からの贈りもの

歴史を遡ること6世紀ごろから始まったと言われる日本の紙漉き。山に野生する木を採ってきて原料として加工、「和紙」として新たな命を与える伝統工芸です。800年の伝統を持つ京都、黒谷の和紙も地元の山で収穫される日本古来の木、「楮」から作られています。楮は成長すると3メートルほどになるクワ科の落葉低木です。 

3年ほどで収穫し、それを蒸して皮をはぎ、表面の茶色い部分を削って「白皮」にして干します。その白皮を今度は水につけ置き、大釜で煮、皮を柔らかくして、不純物を取り除いてゆきます。この不純物を取り除く工程により、永く保存が出来る丈夫な紙が生み出されるのです。通常の洋紙が100年ほどしか持たないのに比べ、和紙の耐用年数は1000年以上とも言われています。日本の自然と人々の英知が生み出した、まさに植物からの贈りもの「和紙」。しかし、和紙職人として黒谷で生きるハタノさんの夢は、和紙を漉いて終わりではありません。「和紙というのは実は木材と同じ。木からテーブルが出来たり椅子が出来たりするように、和紙は材料。そこからどういう世界を創りだすかも、僕たち職人の使命なんです」

脇役として輝く和紙の魅力

日本ならではの伝統技術を使って作られた黒谷和紙。その丈夫さとともに、木製品、陶芸品など日本ならではの調度品との馴染み方がとても良いため、「個展や展覧会の棚に敷きたい」といった希望が多く寄せられるそうです。主役はあくまでも「作品」で、下に敷かれる和紙の役割は、器をいかに美しく魅せるかということ。目立とうとはせずとも、なくてはならない存在になる。和紙がそばにあるから、器が美しく見える。あくまで脇役に徹することで、私たちの毎日の生活の中でも、和紙の魅力はより輝くのかも知れません。 

たとえば、お客さまをむかえる玄関に飾る花瓶の下に、和紙で作られた敷板を置けばとても落ち着いた上品な空間がそこに生まれます。また、食事の時のテーブルマットに和紙を活用すれば、特別なおもてなしの思いを、お客さまに伝えることが出来ます。そして、和菓子の下に敷いて飾ったりするのもおすすめのひと工夫。和紙のシンプルで自然な模様は、和洋問わずとっておきの食器やテーブルウエアにも合わせられますし、自然から生まれた和紙の存在感や手触りは、食べものや人に優しく寄り添ってくれます。食事の時にふと触れた瞬間、きっと暖かい気持ちを感じさせてくれるでしょう。

広がる和紙の可能性

木の皮から手作業で作られる「黒谷和紙」の特徴の一つは、何と言っても“丈夫”なこと。濡れてもこすってもなかなか破れないことから、京の地でも昔から傘やちょうちんなど、毎日使用する生活必需品に用いられてきたことは良く知られています。ハタノさんは、その丈夫さ、魅力を改めて伝えるため、現在壁紙や床などに黒谷和紙を取り入れた「和紙に包まれる空間づくり」を広める活動も行っています。和紙の良さは毎日触れて使って初めてわかるもの。作る側も「和紙を使う」という生活を大事にしなければと思い、自宅の床を黒谷和紙張りにして、和紙に包まれた生活を自ら実践しています。毎日踏みしめられた和紙の床は、時が経つ程に原料の楮の木の繊維組織が締まって結合が強くなり、より丈夫さが増していくのだといいます。そして、日々見落としがちでも、ふとしたときに気づく木から生まれたことを思いださせてくれる素材感、ぬくもり、心地よさ。使い続けて初めてわかる、その経年変化の美しさこそ手漉きの和紙ならではの魅力なのです。

 「日本人はもっと和紙に自信を持って欲しい。木から紙を生み出す手漉きの作業も和紙を特別なものにしていますが、これからは、出来たものがどう生活の中で使われてどう変化しているか、どう喜ばれているか、そういったところをもっともっと伝えて見て感じてもらいたい」ハタノさんはそう語り、和紙の魅力を様々な「形」にして世界に発信しています。和紙の楽しみ方や和紙と暮らす喜び。たくさんの人が知ることで、和紙の可能性はもっともっと広がるのではないでしょうか。 

ハタノワタル作 黒谷和紙の名刺箱

 
 
ハタノワタル

1971年、淡路島生まれ。多摩美術大学絵画科油画専攻卒。97年、黒谷和紙研修生となり、2000年、黒谷紙漉き師として独立。伝統ある和紙の里で紙を漉き、その黒谷和紙の可能性を広げる活動を行う。 04年、綾部ファインアートグラデーション(AFaG)立ち上げ。07年、京もの認定工芸師として認定される。様々なショップでのプロダクト販売のほか、個展、展覧会等を通して、黒谷和紙の魅力を世界に発信している。

2016.11.04

Herbal Life

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収穫の秋に楽しみたい、ベジタブルアートの魅力とは?

秋は実りの季節。普段は食卓の上に並ぶそんな自然の恵みを、さらに魅力的に楽しむことができるのが「野菜を飾る」という新しいインテリアスタイルです。 


11月のハーバルライフは、様々な色、形の野菜を組み合わせて飾る“ベジタブルアート”をご紹介します。ベジタブルフラワーアーティストの李美栄(り・みえい)さんに、野菜を飾るアートの魅力や作り方について教えていただきます。

食がより味わい深くなる“野菜を見て楽しむ時間”

野菜を調理しておいしくいただく前に、目で楽しむ。この新しい野菜との触れ合い方がベジタブルアートです。1種類の野菜を使ったシンプルなものから、何十種類もの野菜を使った大掛かりなものまで、ベジタブルアートの表現の幅は無限大。食べ頃で色も形ももっとも美しい姿をしている野菜を、花のように愛でながら過ごす数日間。実はこの体験が私たちの食の時間を、より味わい深いものにしてくれるのです。 


大きく育ったピーマンの鮮やかな赤やオレンジ、オクラの個性的なシルエットなど、これまで意識しなかった野菜の姿、形をベジタブルアートによりしっかり見ることで、その生命力や力強さを“目”で捉えることができます。それは、たっぷりと含まれた野菜の栄養を、まるで見ているだけで摂取できてしまうような感覚。花や観葉植物とは、またひと味違った力強い野菜の生命力を感じることができるのが、このベジタブルアート独自の魅力ともいえます。

ベジタブルアート、感性を刺激する色の魅力


野菜を組み合わせて飾る“ベジタブルアート”。その楽しさは「見る」だけではなく、もう一つ「作る」作業にもあります。同じ種類の野菜であっても、大きさや色の濃さなど、ひとつひとつ個性が違う野菜たち。それらを彩りやバランスを考えながら組み合わせることで、野菜を料理する時以上に丁寧に観察し、ひとつひとつとゆっくり向き合うことになります。新鮮なものほどしっかりとした野菜の手触りや、色、香りなど、まさにフレッシュな自然の恵みを五感で楽しめるところもポイントです。
 
また、“食卓やお家の中をちょっと華やかにしてみたい”そう思ったときに、すぐにお家で実践できるのも、ベジタブルアートの良いところです。冷蔵庫の野菜と、食器棚にあるグラスやお皿で、すぐにチャレンジすることができます。センス良く仕上げるために、まず最初におさえておきたいのは“色”。今日は“緑色の野菜でまとめる”という風に一色で揃えるのもいいですし、“赤色の野菜でまとめた中にアクセントで黄色の野菜を少し入れる”というバリエーションもおすすめ。例えば、透明のお皿に芽キャベツや同じような大きさの緑の柑橘類を置いて、その中に黄色いプチトマトをポイントで入れてみるといった簡単なものでも、立派なベジタブルアートの完成です。それを、ダイニングテーブルや台所のカウンターなど「食」と関連する場所にさりげなく置いてみるだけで、ガラリと雰囲気が変わります。 


また旬の野菜を入れたり、クリスマスなら“赤”と“緑”をテーマカラーにしたり、母の日なら野菜の中にカーネーションを1本アクセントに足したり、時期や季節感を意識した工夫を凝らすのもセンスアップのコツ。材料が身近なものですから、まさにアイディア次第で自由に表現できるのもベジタブルアートならではの楽しさです。

旬の野菜でつくる本格アート

では、ベジタブルアートの作り方の基本をおさえたところで、もう少し本格的なベジタブルアートにも挑戦してみましょう。一見、特別な道具が必要そうに見えますが、実はキッチンに身近にある“竹串”や“楊枝”などを使って簡単に作ることができます。
 
まずグラスの底にプチトマトを敷き詰めます。そして、上に葉野菜をのせます。たとえば、秋が旬のカブは竹串を2cmほどさした状態で、その周りにセット。またスナップエンドウもカブと同様に竹串にさした状態で、カブの間に1本ずつセットしていきます。1番上にいちごをのせて、最後にリボンで飾りをつければでき上がり。カブやプチトマトといった丸みをおびた野菜を入れると“かわいらしさ”が出るのがポイントです。グラスは背の低いものを使い、ダイニングテーブルの真ん中にさりげなく置くと、素敵な食卓を演出してくれます。この“竹串で野菜をさす”という方法をひとつ覚えておけば、作れるアートの幅も一気に広がります。 


例えば、お家に誰かを招いたときに、その日振る舞う料理の材料をベジタブルアートにしてテーブルに飾っておくという演出や、その人の健康を願ってスムージーの材料をベジタブルアートにしてプレゼントを贈るなど、相手への思いやりが伝わるちょっとしたサプライズを届けることもできます。また、ベジタブルアートは野菜と親しんだ分だけ「最後までキレイに食べよう」という食物への愛情も芽生えるもの。見たり作ったりして楽しむ普通のアートの枠を越えて、食との関わりを見直し、自然の恵みへの理解をより深めてくれるものといっても良いかもしれません。
 
 

李美栄(り・みえい)
日本野菜ソムリエ協会認定
ベジフルフラワーアーティストプロフェッサー第1期生、ベジフルフラワー養成講座専任講師第1号、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーセルフアドバイザー
フラワーアレンジメント師範
カルチャースクールや各地で講座を開催。韓国大使館でのオブジェ制作、多数のイベント、パーティで活動中。認定料理教室「恵みの食卓」を主宰し、「大切な人に健康と真心を贈る」をモットーに料理とベジフルフラワーの両面から野菜と果物の魅力を提唱している。