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あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で輝くライフスタイルを!

植物のめぐみを取り入れたライフスタイル「BOTANICAL LIFE」を、テーマ別に週替わりでご紹介します。
植物の世界からあなたに届く「美しい贈りもの」です。

2018.02.23

Botanist

Botanist23
冬景色を彩る早春の桜、河津桜を育て愛でる人々

南伊豆地域を代表する早咲きの桜が「河津桜」。花は大きく華やかで開花期間が長いのも特徴です。2月初旬から約1ヶ月に渡って咲き続け、「河津桜まつり」と共にこの地を訪れる人々を愉しませています。
 
今月のボタニストは、この河津桜を育て愛し、見守る人々の活躍と思いをご紹介します。
 

河津桜とは

早咲きの桜「河津桜」は、南伊豆、河津町で発見されたことから名づけられました。鮮やかな色合いと、大きく枝が拡がる樹形から、特に花をつけた姿が美しいとされています。
河津桜の花房
  
原木が発見されたのは、今から約60年ほど前。飯田勝美氏(故人)が偶然、冬に緑の葉をつけた小さな苗を川の堤で発見し、自宅に植えたそうです。約10年目に開花し、淡紅色の花が1月下旬頃から約1ヶ月にわたって咲き続け、周りの人々を驚かせました。
現在も飯田邸で咲く河津桜の原木

その後、増殖され、河津町に原木があることから、1974年にカワヅザクラ(河津桜)と命名。翌年には河津町の木に指定され、今では約8,000本が、早春の南伊豆の町を華やかに彩っています。 
 

 河津桜を守り咲かせるために

現在、河津町では、町の中心を流れる河津川沿い3kmにわたり約800本、河津町全域では約8,000本が栽植され、毎年2月10日ごろから3月10日ごろまで開催される「河津桜まつり」で100万人以上の人々を魅了しています。冬の厳しい環境の中で咲く河津桜は、気候の影響を受けやすく、開花時期に大きな違いが出たり、土地柄、台風による塩害などの被害を受けることもあります。植えられてから長い年月が経過した木も多く、管理や保護が欠かせませんが、その作業のほとんどは住民の方の手によって行われています。
河津川と桜並木
 
樹木医や桜守りの方などの専門家を招いて、木の状態を分析したり、有志による「河津桜守人」、「河津桜花の会」、「かわずふるさと案内人」を結成し、保護活動を行っています。木全体に大きく花を咲かせるためには、枝の伸び具合に注意が必要で、枝の重なりを避けるため、剪定作業が欠かせません。また、見えない「根」の部分の状態を知るため、幹や枝、木の皮、つぼみなど見える部分を注意深く観察することが求められるそうです。そのため有志だけの見守りでは手が足らず、住民の方々の「目」も重要な役割を担っているのです。
菜の花ロード
  
河津桜は、通勤や通学など生活道路となっている川の堤防の道や、一般家屋の庭などに咲いています。特に河津川沿いの800本は、かつて住民の方自身によって植えられたもので、一本一本に栽植した方々の思いが込められています。「かわづふるさと案内人会」の会長、板垣秀実さんも桜並木を植栽した一人で、開花を見るたび、若い頃の記憶や思い出が蘇るといいます。そして、自分の町の名前が付けられた桜の花がいつまでも咲き続けて欲しいと、気持ちを新たにするそうです。「われわれにとって河津桜は花が咲いている時だけ愛で、目を向けるものではなく、花の季節が終わったあとは、緑の葉の色に気を配り、その葉が散ったあとは枝の形や姿を眺めるなど、1年中、気にかけて見守る存在なのです」。板垣さんのそんな言葉が河津町の人々の桜への思いを伝えてくれています。