ノエビア

Menu
あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で輝くライフスタイルを!

植物のめぐみを取り入れたライフスタイル「BOTANICAL LIFE」を、テーマ別に週替わりでご紹介します。
植物の世界からあなたに届く「美しい贈りもの」です。

2017.08.25

Botanist

Botanist17
花で遊ぶ、花を活かす。「花人」赤井勝さんの花と生きる思いとは?


自らを「花人(かじん)」と呼ぶ、フラワー・アーティスト赤井勝さん。 いくつもの世界的なプロジェクトに花を通して関わりながら、花で心を伝え、心地よくおもてなしすることを何よりも大切にされています。今月のボタニストは、そんな赤井さんの花との出会いと原点に迫ります。 
2016年 サントリーホール

花は世界の共通語

今年3月、パリ、ルーブル王宮内のパリ装飾芸術美術館で1日限定の「花見」が行われました。それが「JAPAN PRESENTATION in PARIS」という日仏文化交流イベントです。日本から桜の枝を輸出し、1日だけの「花見の宴」をパリの人々に届けたのです。このプロジェクトの成功を支えたのがフラワー・アーティストの赤井勝さん。パリに日本から運ばれた桜の枝は約1000本。空輸する飛行機の機内や現地での保管にあたって細心の温度調節、開花調整が行われ、館内の広間に飾られた桜は、パリに一足早い日本の春の景色を届けました。 これは北海道洞爺湖サミットなどで装花を担当した赤井勝さん自身にとっても、思い出深いプロジェクトの一つ。日本の花「桜」の美しさをそのまま世界の人々の心に届ける、という重責を果たしたと同時に、「花は世界の共通語」であるということを、改めて心に刻むことができたからです。 
パリ装飾芸術美術館「JAPAN PRESENTATION in PARIS」

「花人」赤井勝さんの原点

大阪の花屋さんに生まれた赤井さんにとって、花は、生まれた時から身の周りに、まるで空気のように存在していました。幼い頃から家業を手伝い、花に触れて、花を習う日々。周りの子供たちと同じように、様々な習いごとも経験しましたが、一番楽しい存在は“花”でした。それは、自分が花と関わることで母親を始め、周りの人が笑顔になってくれたから。花を活ける修行にもすすんで出かけ、花を持って帰っては、自宅の部屋や雰囲気に合わせて活け直す楽しさを覚えていきます。花は決められた通りに活けるのではなく、その周りの空気や集う人々に合わせて自由に飾るもの。赤井さんは毎日、お母さまの仕事からの帰りを待ちながら、家の中の様々な場所に花を飾り、お母さまを驚かせることを楽しみにしていたそうです。それは、まさに、花を通じて人と会話をするということ。花で気持ちを伝え、心を通じ合わせるということ。これこそが、花でサプライズを届け、会話し、喜ばせるという、赤井さんの現在の仕事の原点となったのです。 
roma_houou_FranckMuller.jpg
左:ローマ法王オブジェ/右:フランク ミュラー展示会

花が教えてくれること

赤井勝さんの花を飾る原点は、花を見てくれる人に心を届けるということ。それはどんなに大きなイベントやパーティでも同じです。催しやおもてなしの目的に心を砕き、それを知った上で花を飾る。花がただ目立つのではなく、見る方がどのように感じるかを考える。イベントの成功のために自分は花で何が出来るのか、どうベストを尽くせばいいか、ぎりぎりまで自問自答し、花に心を込めていきます。実は50代になって、赤井さんの花を見る目が少し変わってきたそうです。おもてなしのために花を活ける時は、自分の手元で開花の80%のレベルまで花を見守り、お客さまに届く瞬間に100%で花が開花し輝くように気を配りますが、自身で花を愛でる時は、花が自分の生命を終え燃え尽くした姿に最も心惹かれるそうです。 萎れていても、枯れていても、一所懸命咲き続けたすべての花は美しい。その花の姿に心が癒されるそうです。
洞爺湖サミット 装花
 
赤井勝さんが、自分の大切な使命のひとつと感じていることは、“日本の花をもっと世界に届けたい”ということ。「日本の花には心があり、力がある」と赤井さんは言います。「日本は花をたくさん輸入する国となったが、日本にはもっと美しい花があること、花を愛でる美しい心があることを世界に発信したい。言葉で伝わらない心も花で伝わり、花が心を繋いでゆくはずです」。花は世界の共通語、それが赤井さんの信念です。


  
hanatoasobu_obinashi_syoei_trim.jpg
赤井勝(あかい・まさる)
1965年、大阪府生まれ。在大阪ロシア連邦総領事館の装花、「パウロ6世ホール」にオブジェを制作。ローマ法王ベネディクト16世にブーケを献上、ウクライナ大使館主催「赤井勝 装花の会」を開催。在日各国大使夫人へのフラワーレッスンをはじめ、北海道洞爺湖サミットの政府主催イベントの装花、伊勢神宮の式年遷宮の献花奉納など、独創的な作品が国内外で高く評価されている。著書は、『花と遊ぶ Flower Method』(朝日出版社)。